2027年4月以後の売上は、何%ごとに分けて記録する?
2027年4月以後しばらくは、ネットショップの売上を10%・8%・1%の3つに分けて記録します。食品の売上は原則1%になり、雑貨などの売上は10%のままです。
8%が残るのは、主に2つの取引です。1つは、通信販売の予約や前払いの定期便で、経過措置により8%になる食品の売上です(国税庁Q&A 問1-6)。もう1つは、3月までに売った食品が4月以後に返品された場合の返金です(問1-5)。
この記事では、税抜経理(売上と消費税を分けて記録する方法)で仕訳例を示します。仕訳例は説明用に作ったもので、会計ソフトから出力したものではありません。
食品の消費税率1%は、法案が国会で成立した場合の内容です。2026年10月8日時点で、法案はまだ成立していません。
仕訳例の前提にする4月の注文
2027年4月10日に、次の3つの商品を発送したとします。売上は発送した日に計上し、代金はまだ入金されていない(売掛金)ものとします。
1つ目は、4月に注文を受けた食品で、税込10,100円(税抜10,000円、1%の消費税100円)です。2つ目は、2026年12月から商品ページで予約を受け付け、3月に注文を受けた食品で、通信販売の経過措置により8%になるものです。税込5,400円(税抜5,000円、8%の消費税400円)です。3つ目は雑貨で、税込3,300円(税抜3,000円、10%の消費税300円)です。
1%の食品の税込価格から税抜価格を出すときは、101で割って100を掛けます。税込10,100円なら、税抜10,000円と消費税100円です。
10%・8%・1%が混ざる注文の売上の仕訳
3つの商品の売上を、税率ごとに分けて計上します。売上高と仮受消費税は、10%・8%・1%のそれぞれで別の行にします。
8%の行は「食品の売上だから8%」ではなく、経過措置の条件に当てはまる注文だから8%です。条件に当てはまらない食品の注文は、4月以後は1%の行に入ります。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 売掛金 | 18,800 | 売上高(1%) | 10,000 |
| 仮受消費税(1%) | 100 | ||
| 売上高(8%・経過措置) | 5,000 | ||
| 仮受消費税(8%) | 400 | ||
| 売上高(10%) | 3,000 | ||
| 仮受消費税(10%) | 300 |
3月に売った食品が4月に返品されたときの仕訳
2027年3月25日に税込1,080円(税抜1,000円、8%の消費税80円)で売った食品が、4月12日に返品され、同じ日に返金したとします。
返品を受けたのは4月ですが、3月までに売った食品の返品は、1%ではなく8%で売上返品の消費税を計算します(問1-5)。仮受消費税は、売ったときの8%の80円を減らします。
4月以後に1%で売った食品の返品なら、1%で計算します。たとえば税込1,010円で売った食品の返品は、売上返品1,000円と仮受消費税10円です。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 売上返品(8%) | 1,000 | 普通預金 | 1,080 |
| 仮受消費税(8%) | 80 |
会計ソフトの税区分はどうなる?
1%の食品も、軽減税率の対象です。国税庁Q&Aは、インボイスや帳簿に「軽減税率の対象品目である旨」を書いていれば、「税率1%の対象品目である旨」を新たに書く必要はないとしています。変わるのは、記載する税率と、1%で計算した消費税額です(問2-1)。
国税庁Q&Aの帳簿の記載イメージでは、4月8日の食品の売上5,000円に対して、仮受消費税等50円が記載されています(問2-1)。
会計ソフトで1%の売上を登録するには、1%の税区分が必要です。2026年10月8日時点で、マネーフォワード クラウド会計とfreee会計の1%の税区分について、製品の案内は確認できていません。この記事の仕訳例の「(1%)」「(8%)」は、どの税率の行かを示すための表記で、会計ソフトの税区分名ではありません。
2027年4月の売上を締めるときに確認すること
4月以後の売上を帳簿に載せるときに、税率の行を確かめる観点です。
- 8%の食品の売上4月以後に8%で計上した食品の売上が、通信販売の予約や前払いの定期便の条件に当てはまる注文か(問1-6)
- 1%の食品の売上4月以後に1%で計上した食品の売上に3月までに受けた予約注文が入っている場合、その注文が経過措置の条件に当てはまらないか(問1-6)
- 返品返品された食品を、3月までに売ったか4月以後に売ったか。3月までの分は8%で処理する(問1-5)
- 3月末に発送した注文売上を発送した日と届いた日のどちらで計上しているかで、8%と1%のどちらになるか(問1-3・問1-4)
- 10%の売上お酒や雑貨など、もともと10%の商品は1%にならない(問1-2)
- 判断に迷う取引税率の判断に迷う取引は、顧問の税理士か国税庁の窓口に確認する
法案の成立後に、内容を見直します
この記事は、国税庁の「飲食料品に係る2年間の消費税率引下げに関するQ&A」(令和8年9月)をもとに整理したものです。このQ&Aは、法案が国会で可決・成立した場合の内容として公表されており、今後、問の追加や改訂が予定されています。
法案の成立や国税庁Q&Aの改訂、会計ソフトの対応が分かり次第、この記事を更新します。個々の取引の扱いは、国税庁の案内を確認し、判断に迷う場合は税理士に相談してください。
公開日:2026年10月11日
最終更新日:2026年10月11日
変更点:食品の消費税率1%について、10%・8%・1%が混ざる注文と、3月までに売った食品の返品の仕訳例を、税抜経理で示しました。
1%が混ざる注文は、Journifyでは登録を止めます
Journifyは、ネットショップの注文を、カートが注文に付けた税率ごとに分けて会計ソフトへ登録するサービスです。税区分を割り当てられる税率は10%・8%・0%で、設定で判断できない注文や、それ以外の税率が付いた注文は、推測で税区分を当てずに登録を止めます。
2026年10月9日時点では、1%の税率が付いた注文も登録を止める対象です。1%への対応は、法案の成立と、会計ソフトの1%の税区分・カートの注文データの形が確認できてから決めます。
本サービスは仕訳登録の自動化を提供します。税務代理・税務書類作成・税務相談には該当しません。最終的な税務判断および確定申告は、税理士または利用者ご自身の責任で行うものです。