どのキャンセル・減額なら自動で仕訳される?
makeshopで注文をキャンセルしたこと、決済事業者側で返金処理が行われたこと、会計ソフトで売上を取り消すことは、同じ事象ではありません。makeshopの注文状態、決済事業者側の返金結果、会計ソフトへの登録状況を別々に確認します。
Journifyで自動処理の根拠があるのは、元の仕訳があり、支払済み状態が分かり、全額キャンセルで、会計期間などの条件を満たす場合に元仕訳を逆仕訳するケースです。出荷後にmakeshop上で注文金額を減額した場合も、税区分と勘定科目が変わらない減額であれば、差額の訂正仕訳を登録します。条件が不足する場合は、金額を推測して起票しません。
本記事では、Journifyのmakeshop連携で部分キャンセル・返金・返品・注文変更をどこまで自動処理し、どこで確認に戻すかを中心に説明します。配送先ごとの取消は条件付きで自動登録し、商品単位の一部取消は手動確認に戻ります。
キャンセル・返金・返品・注文変更は何が違うか
まず、makeshopの画面で起きた変更と、お金が動いた事実、会計ソフトで取り消す処理を分けます。次の表は、仕訳を判断するときの入口です。
| 操作・処理 | 何が起きるか | 確認したい点 |
|---|---|---|
| makeshopのキャンセル | 注文全体または一部の注文状態が変わった | 注文状態の変更だけで返金完了とは判断しない。支払状態と返金結果を別に確認する |
| 会計ソフト上の売上取消 | 元仕訳を反転して、会計ソフト上の売上を取り消す | makeshopの状態変更や決済代行会社の返金完了とは別に確認する |
| 決済事業者側の返金処理 | 決済済みの金額を購入者へ戻した | 返金額、返金日、手数料の扱いを決済明細で確認する |
| 返品 | 商品が返送され、売上の一部または全部を戻す | 返品理由、対象商品、元取引の税率で会計処理が変わる |
| 注文内容の変更 | 数量、商品、送料、割引などを変更した | 変更前後の差額と、決済事業者側の請求・返金結果を突き合わせる |
出荷後の減額変更は差額の訂正仕訳として扱う
出荷後に注文内容が減額変更された場合は、元の売上仕訳があり、変更前後の明細を同じ税区分・勘定科目で対応づけられ、増額を含まず、注文全体で減額になるときに限り、差額の訂正仕訳を登録します。
出荷前の注文変更、増額を含む変更、対応する明細を特定できない変更、元の仕訳がない場合は、自動登録せず確認が必要です。注文変更の通知を受け取っただけでは、訂正仕訳の登録完了とは判断しません。
全額キャンセル前:標準税率10%・税込5,500円の元仕訳
標準税率10%の設定例として、税込5,500円の商品を、税抜5,000円と仮受消費税500円に分けています。
この仕訳は一般的な説明用で、Journifyの実際の自動出力を示すものではありません。科目・税区分は会計方針で変わるため、実際の登録では元仕訳と自社の会計方針を確認します。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 売掛金 | 5,500 | 売上高 | 5,000 |
| 仮受消費税 | 500 |
全額キャンセル後:元仕訳を反転する
全額キャンセルで、支払済み状態・元仕訳・取引日などの条件を確認できる場合は、元仕訳の全行を反転します。上の例では、売上高と仮受消費税を借方、売掛金を貸方にします。借方5,500円、貸方5,500円で一致します。
これは支払済み注文の元仕訳を会計ソフト上で全額取り消す説明例です。決済代行会社からの返金完了は別途確認し、返金時の資金勘定(売掛金/普通預金等)は実際の決済結果と会計方針に合わせて処理してください。Journifyの自動出力や決済代行会社の返金完了を示すものではありません。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 5,000 | 売掛金 | 5,500 |
| 仮受消費税 | 500 |
連携履歴で元仕訳と取消仕訳を確認する
以下はJournifyの連携履歴のテスト環境画面です。同じ注文番号に、支払済みの元仕訳(借方売掛金・貸方売上高)と、全額キャンセル後の取消仕訳(借方売上高・貸方売掛金)が別の行として登録され、借方・貸方の金額が一致していることを確認できます。
この取消仕訳が反転するのは売上高・仮受消費税・売掛金の3行だけです。決済代行会社からの返金が普通預金からいつ・いくら動いたかは、この仕訳には含まれません。返金完了は決済代行会社の明細で別途確認し、資金側の仕訳は自社の会計方針に合わせて登録してください。

部分キャンセル・部分返金は、どこまで自動でどこから手動か
部分キャンセル・部分返金では、対象商品の金額だけでなく、送料、割引、決済手数料、税率、返金日を一緒に確認する必要があります。注文全体の仕訳をそのまま反転すると、返金していない商品の売上まで取り消すおそれがあります。
出荷後にmakeshop上で注文金額を減額した場合は、前述の条件を満たすときに限り、その差額をJournifyが訂正仕訳として登録します。一方、注文金額を変えずに決済事業者側や銀行振込で返金した場合は、変更の通知が届かないため自動では登録しません。商品単位で一部だけ取り消した場合も、返金理由・元取引・税率・決済明細によって処理が変わるため自動処理の対象にしません。会計ソフトへ登録する前に、対象商品の明細と実際の返金額を突き合わせてください。
複数配送で配送先ごとに取り消した場合は扱いが分かれます。次の節で、自動登録する条件と止まる条件を分けて説明します。
| ケース | 登録に必要な根拠 | 登録前にすること |
|---|---|---|
| 商品を一部だけ取り消した | 対象商品の売上・税区分・返金額を特定できる | 元仕訳全体を反転せず、対象明細だけを会計方針に沿って調整する |
| 送料や割引が含まれる | 送料・割引の取消額と根拠を確認できる | 商品だけの割合で按分せず、注文内容と返金明細を確認する |
| 決済事業者側で返金処理をした | 返金日・返金額・手数料の扱いが明細で分かる | makeshopのキャンセル状態だけで返金済みと判断しない |
| 税率が確認できない | 元取引や公式資料で税率の根拠を確認できる | 標準税率を仮定して起票しない |
Journifyが自動処理する範囲と停止条件
Journifyのmakeshop連携は、注文状態だけでなく、会計処理に必要な根拠がそろっているかを確認します。条件を満たさない場合は、起票を止めて手動確認に戻します。
返金時に確認する決済手数料は、注文に加算された顧客請求手数料と、決済代行会社が入金時に差し引く実手数料を分けて確認します。登録された仕訳は注文番号で追跡でき、摘要の先頭から注文番号を検索できます。freee会計では、摘要に加えて管理番号にも注文番号が入ります。
| 状況 | Journifyの扱い | 注意点 |
|---|---|---|
| 自動処理の対象 | 元仕訳あり・支払済み状態が既知・全額キャンセル・会計期間などの条件を満たす | 元仕訳をそのまま再利用せず、借方と貸方を反転して同額にする |
| 支払状態が不明 | makeshopの注文情報と決済情報を確認できるまで保留する | 未入金のキャンセルを、支払済みの売上取消として扱わない |
| 月をまたぐキャンセル | 元の計上月とキャンセル月を確認して会計方針を決める | 同じ月の全額取消と同じ扱いで自動起票しない |
| 元仕訳・税率の根拠がない | 元取引と会計ソフトの登録状況を確認する | 0円や標準税率などで不足情報を補わない |
| 注文金額を減額した | 元仕訳があり、税区分・勘定科目が変わらず、全体が減額になる | 増額や税区分の変更を含む注文変更は自動訂正せず、確認に戻る |
| 複数配送で配送先ごとに取り消した | 割引が無く税込表示の注文であれば、残った配送先の金額で登録する | 取り消した配送先の商品と送料は明細から外れる。金額が注文合計と合わなければ登録を止める |
| 配送先の取消で割引または税抜表示がある | 取り消した配送先へ割り当てる割引額と消費税を手動で確認する | 割引額は配送先を取り消しても減らないため、商品金額の割合で按分しない |
| 注文金額を変えずに返金した・商品単位の一部取消 | 対象明細、実返金額、税率、決済明細を手動で突き合わせる | makeshopから変更の通知が届かないため、自動では登録されない |
配送先ごとの取消で、割引と税抜表示だけが手動確認に残る理由
makeshopの公式マニュアル「注文内容変更」にある自動再計算の説明では、まとめ買い割引額とクーポン割引額は受注時の金額のまま残り、再計算の対象外とされています。配送先を1つ取り消しても割引額は減らないため、残った配送先にいくら割り当てるかを機械的に決める根拠がありません。
同じ説明の中で、複数配送で配送先ごとの変更をした場合の消費税も再計算の対象外とされ、手動での入力が必要と案内されています。税抜表示の注文では消費税額の正しさがmakeshop側で保証されないため、この条件でも登録を止めます。
割引が無く税込表示の注文にかぎり自動登録するのは、この2つがどちらも当てはまらず、残った配送先の商品と送料の合計が注文合計と一致することを確認できる場合だけです。一致しない注文は登録せず停止します。
次にすること:全額キャンセルを1件だけ照合する
まず、元仕訳があり、支払済み状態が確認できる全額キャンセルを1件選び、makeshopの注文状態・決済明細・会計ソフトの元仕訳と取消仕訳を照合してください。複数配送で配送先ごとに取り消した注文は、登録された金額が残った配送先の合計と一致しているかを次に確認します。注文金額を減額した場合の差額訂正と、注文金額を変えずに返金した場合や商品単位の一部取消の手動登録は、この照合が終わってから別に確認します。
登録前にmakeshopと会計ソフトの公式情報を確認する
makeshopの公式案内では、キャンセルと決済事業者側の返金連動は決済方法や決済ステータスによって確認箇所が変わります。注文画面の状態だけで返金完了とは判断せず、決済事業者側の結果を別に確認してください。税率が関係する場合は、国税庁の軽減税率に関する資料と、自社の会計方針を確認してください。
公開日:2026年8月29日
最終更新日:2026年10月6日
変更点:複数配送で配送先ごとに取り消した場合の扱いを追加しました。割引が無く税込表示の注文にかぎり残った配送先の金額で登録し、割引がある注文と税抜表示の注文は手動確認に戻ります。あわせて、注文金額の減額を差額の訂正仕訳として登録する条件と、注文金額を変えずに返金した場合に手動登録となる理由、商品単位の一部取消・部分返金が手動確認である理由を分けて書き直しました。注文金額の減額を訂正仕訳として登録する説明に、出荷後であることなどの条件を明記しました。
本サービスは仕訳登録の自動化を提供します。税務代理・税務書類作成・税務相談には該当しません。最終的な税務判断および確定申告は、税理士または利用者ご自身の責任で行うものです。